前回、入念な物件調査と資産価値を明確にした競売での物件取得で、突然の売却でも利益を出すことができ、大変メリットを感じて下さったO様、今回は投資用マンションの入札をご希望され、当方がセレクトした競売不動産情報の中から福岡の中心地・天神にも程近い中央区高砂の「シティマンション高砂」を選ばれました。
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入札物件はO様がご自身で選定されましたので、当方はその物件がO様に最適であるかどうかを調べるための物件調査に取り掛かります。競売不動産の物件情報は、裁判所が公告する物件資料(三点セット)を管轄裁判所の閲覧室にて誰でも閲覧できます。しかし情報の閲覧時期から2~3ヶ月前に調査・作成されていることからタイムラグが生じ、例えば調査時と閲覧時期では占有者が変わっているなど、物件の状況が変化している場合が多々ありますので、裁判所の資料だけで判断することは大変危険です。
O様が入札を希望されている物件の占有状況は、三点セットによると 短期賃借権があり(平成15年6月9日まで賃借人が存在する)との記載がありました。しかし当方が行った物件調査で、同物件の賃借人は競売の開始を受けて平成14年12月に転居していたことが判明しました。
堤エステートでは、入札前に再び綿密な物件調査を行い、タイムラグによって生じた三点セットとは異なる事実を調査することで、会員様に安心して入札をしていただいております。
物件の適正価格は、まず一般流通市場での販売価格を基準にして査定を行います。競売不動産のほとんどは中古物件であり、中古マンションの場合は、同じマンションや近隣の築年数が近い類似物件の価格を元に査定します。そのほか家賃=収益による試算や近隣の新築分譲価格など様々なデータを参考にして適正価格を導き、改装費用・滞納管理費などの諸経費を考慮して最終的に入札予想価格を求めます。
当該物件は11階建ての10階部分であり、東南向で日当たりが良く、将来眺望が遮られる可能性が低い向きに位置しています。また地下鉄七隈線の開通により、福岡の中心地である天神エリアの南下と共に、人の流れも増加しているエリアの近くに立地しております。更に新駅予定「渡辺通」駅と「薬院駅」駅の中間地点に位置していることから利便性が増し、地価の上昇=資産価値のUPとなります。必然的に賃貸需要も高まり投資物件としては高い評価となります。このように不動産投資には都市計画などの調査も大変重要です。
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今回O様の目的は、収益物件としての入札です。したがって調査報告書では、物件について投資運用のシミュレーションも行います。
■投資利回りによる試算 | |||||||||||||||||||||||||
予想家賃(78,000円)の場合、実質年間手取収益は以下のとおりです。 57,375円(毎月手取額)×12ヶ月-63,689円(固定資産税)=624,811円 |
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■取引事例比較法による試算 | |||||||||||||||||||||||||
物件調査時に同マンションの902が売物件となっていたため参考として比較 | |||||||||||||||||||||||||
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比較できる物件数が少ないため単純比較はできませんが、おおよそ転売価格は 980万円~1,080万円程度と予測しました。 |
上記の金額を見ても分かるように、投資利回りによる試算と取引事例比較法ではかなりの金額差が生じます。収益物件として入札を検討する場合には、収益還元法の数字を重視しなければいけませんが、実需物件として転売も視野に入れる場合には、取引事例比較法で算出した数字も参考になります。
このように収益物件の入札には、投資シミュレーションも重要です。その上で金額的・物件的に問題はないか、落札できても運用時にメリットある物件か…等々、コンサルティングを行い会員様が納得をした上で入札にのぞみます。
物件調査と査定の結果、落札後のリフォーム等の諸費用を加算しても一般流通市場価格より割安であり、競売物件ならではの価格的満足感を得られる落札予想金額は650万円前後と査定しました。しかし近年の落札事例から高額で落札されているケースが多く、700万円代まで上昇する可能性があることをO様にご説明しました。
堤エステートが会員様に調査報告書で提示した落札予想ライン 650万円前後 |
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O様は最終的に6,830,010円で入札することにしました。 | ||
結果的に20件もの入札がありましたが 見事、6,830,010円で落札することが出来ました。 |
落札後、O様は賃貸の客付けを視野に入れたリフォームを施され、和室2室を洋室にすることで3DKを2LDKに変更。床は店舗などに使用されるフローリング調のCFシートにすることで、支出を抑えられました。その後、賃貸募集から約1ヵ月後に家賃78,000円で賃借人が決定、現在も当物件を賃貸運用中です。
最終的な物件取得費用の内訳 | ||||||||||||||||||||||||||
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計 8,746,057円 |
このようなしっかりとした物件調査と投資シミュレーションをすることは、競売不動産を取得する場合だけなく、不動産投資を行われる時はとても重要です。
その後もO様は、堤エステートにて資産運用のサポートを受けながら 自身の不動産知識を深められ、さらなる資産を増やされています。 |